9月26日(土)14時05分、このはなアリーナ。ベルテックス静岡の2026-27シーズンは、ファイティングイーグルス名古屋とのホーム開幕節で幕を開ける。翌27日(日)も同じ14時05分、同じ会場でGAME2が行われる。
ただ、コートに立つ顔ぶれは昨シーズンとかなり違う。ヘッドコーチが代わり、契約継続は6人。この開幕は「続き」ではなく「作り直し」の初日だと考えたほうが、試合の見え方は分かりやすくなる。
初めて現地に行く人にも、昨季から追っている人にも役立つように、確定している情報と、まだ公式に決まっていない部分を分けて整理した。
ここがポイント: 2025-26シーズンの15勝45敗から、クラブはHC・GM・ロスターをまとめて入れ替えた。開幕節は9月26日・27日、このはなアリーナでFE名古屋戦。
この記事で分かること
- 開幕節の日程・会場・アクセスなど、当日の基本情報
- 昨シーズン(34勝26敗 → 15勝45敗)に何が起きたのか
- ジョン・パトリック新ヘッドコーチ体制と、13人のロスターの中身
- プレシーズンで見えた課題と、選手・HCが語った手応え
- 今季から始まる「B.LEAGUE ONE 西地区」という枠組みの意味
開幕節:9月26日・27日、このはなアリーナでFE名古屋と
まず当日の基本情報から。会場は静岡市駿河区栗原19-1のこのはなアリーナで、2日連続開催のGAME1・GAME2がともに14時05分ティップオフだ。
クラブの試合情報ページによると、アクセスと当日の見どころは次のとおり。
- 静岡鉄道・県総合運動場駅から徒歩約3分、JR東海道線・東静岡駅から徒歩約20分
- 会場に観戦者用駐車場はなく、周辺の商業施設駐車場や公共交通機関の利用が案内されている
- 各日先着2000人にオレンジのライトアップブレスレットを配布
- ホーム開幕4試合でポストカードを配布し、4種類そろえるとLEDブレスレットと交換できる
- NTTドコモのブース出展、育成年代チームや地元高校のエキシビションマッチも実施
対戦相手のFE名古屋も、今季はベルテックスと同じB.LEAGUE ONE西地区に属する。つまり開幕節は、いきなり同地区のライバルとの直接対決から始まる。
昨シーズンの落差:34勝26敗から15勝45敗へ
今季の大改編を理解するには、昨季の数字を見るのが早い。
ベルテックス静岡は2026年4月28日、森高大ヘッドコーチとの契約満了を発表した。Bリーグ公式サイトが掲載した発表内容によれば、森HCの1年目(2024-25シーズン)は34勝26敗でプレーオフに進出し、クラブ史上初のプレーオフ勝利を挙げている。ところが2年目の2025-26シーズンは15勝45敗で西地区最下位に終わった。
同じ日に、GMの麻生卓志氏との契約満了も発表されている。指揮官と強化責任者が同時に入れ替わる形だ。
クラブ代表の松永氏は、森HCが植え付けた闘う姿勢と「ONE TEAM」の意識はクラブ文化として残る、という趣旨のコメントを出している。1年で19勝も落ちたチームをどう立て直すかが、そのままオフの課題になった。
ジョン・パトリック新ヘッドコーチ体制
クラブは5月4日、ジョン・パトリック氏とヘッドコーチ契約を締結したと発表した。Bリーグで優勝経験を持つ指揮官を、リーグ2部相当のカテゴリーで迎えるという、規模の大きい人事だ。
経歴
Bリーグ公式サイトが掲載した発表内容によると、パトリックHCは58歳のアメリカ出身で、日本での指導キャリアは1999年に始まっている。トヨタ自動車アルバルク(現アルバルク東京)、千葉ジェッツで指揮を執り、千葉では2022-23シーズンにタイトル獲得とB1レギュラーシーズン勝率記録の樹立を経験した。
GMが挙げた3つの選定理由
クラブは、招へいの理由として次の3点を挙げている。
- トップチームの成績とアカデミー育成を一本につなぐクラブ全体のプログラムを設計できること
- 国内外の選手市場に通じ、日本人選手の育成にも知見があること
- 激しいディフェンスを軸にした、テンポの速いバスケットボールを実装できること
パトリックHCは「静岡のみなさんと一緒に、新しく強いチームを作ることを楽しみにしています」という趣旨のコメントを出している。
この人事は単年の話ではない。クラブは2030年の新アリーナ開業を見据えて強化を進めており、9月7日に発表したシーズンビジュアルでも、2030-31シーズンのB.PREMIER参入を掲げている。スローガンは「ALL SHIZUOKA! 熱狂せよ。」、年間10万人の来場を目標に掲げた。
ロスター13人:継続6人、新加入7人
クラブは7月25日、2026-27シーズンのロスターとチーム編成を発表した。登録は13人。継続契約は橋本竜馬、山本愛哉、増田啓介、柏倉哲平、サイモン拓海、林翔太郎の6選手で、残りの7人が新しい顔ぶれになる。
| 背番号 | 選手名 | ポジション |
|---|---|---|
| 00 | 関谷 間 | PG/SG |
| 0 | 橋本 竜馬 | PG |
| 2 | トレダリアス・マカラム | SF |
| 3 | 山本 愛哉 | PG |
| 5 | ジェイデン・ガードナー | SF |
| 7 | 君座 武志 | SF/PF |
| 11 | 増田 啓介 | SF |
| 14 | 柏倉 哲平 | PG |
| 18 | 黃 以喆 | PG/SG |
| 21 | ソロモン・ヤング | PF |
| 30 | サイモン 拓海 | SG |
| 33 | 林 翔太郎 | SF |
| 49 | ジャンバルボ 海斗 | SF/PF |
バックコートは継続組が軸
ポイントガードに橋本竜馬、山本愛哉、柏倉哲平と経験のある3人が並ぶ。山本は9月12日の試合後、自身が初めてキャプテンとして臨んだ試合だったと語っており、コート上のまとめ役を担う立場になった。身長163cmのPGがゲームをコントロールする姿は、初観戦でも目を引くはずだ。
新加入の関谷間、そして黃以喆がここに加わる。黃以喆はアジア特別枠での加入だとバスケットボールキングが報じている。アジア特別枠は、指定された国・地域の選手を外国籍選手とは別枠で登録できる制度で、日本人選手と同じ扱いで起用できる点が大きい。
フロントコートは全員が新戦力
SF/PFのポジションは、トレダリアス・マカラム、ジェイデン・ガードナー、ソロモン・ヤングの外国籍3人に加え、君座武志とジャンバルボ海斗が新たに入った。バスケットボールキングは、ガードナーが昨季アルバルク東京相手に29得点を挙げた選手だと報じている。
つまりインサイドは実質的にゼロから組み直された。パトリックHCが掲げるプレッシャーディフェンスは、ビッグマンのローテーションと体力がそのまま機能するかどうかに直結する。開幕節でヤングやマカラムが何分プレーし、ファウルトラブルを避けられるかは、見ていて分かりやすい指標になる。
プレシーズンの現在地:2敗、しかし中身は違う
クラブ公式が試合後コメントを掲載したプレシーズンゲームは2試合で、結果はいずれも黒星だった。
| 日付 | 対戦相手 | スコア | 会場 |
|---|---|---|---|
| 9月4日(金) | 横浜ビー・コルセアーズ | 72-84(●) | 静岡市中央体育館 |
| 9月12日(土) | 越谷アルファーズ | 75-81(●) | 越谷市立総合体育館 |
9月4日の横浜戦は、前半終了時点でベルテックスが49-37とリードしていた。ところが第3クォーターを10-22、第4クォーターを13-25と落として逆転された。横浜ビー・コルセアーズの試合レポートに記載された内容だ。リードを作れることと、40分保てることは別問題だと分かる内容だった。
9月12日の越谷戦について、パトリックHCはプレシーズンながら良い雰囲気の会場だったと述べたうえで、後半にターンオーバーを減らせた点を改善として挙げた。一方で、越谷のディフェンスプレッシャー、特に#4四家魁人選手と#44ミッチェル・ライトフット選手に対するピック&ロールの守り方に苦しんだ点を課題として挙げている。
山本キャプテンは、敗れたものの手応えはあるとしたうえで、交代のタイミングやタイムアウト明けのプレーに改善余地があると話した。そのうえで、開幕までに準備を積めばどんな相手にも勝てる、という趣旨のコメントを残している。
ここで注目したいのは、HCと選手の課題認識がほぼ同じ方向を向いている点だ。ターンオーバー、交代、タイムアウト後の遂行——いずれも「新しいチームが慣れていない」種類の課題で、選手の能力不足の話ではない。裏を返せば、試合を重ねるほど解消が期待できる部分でもある、と考えられる。
今季から変わったリーグの枠組み
2026-27シーズンから、Bリーグは新体制に移行した。ベルテックス静岡が戦うのはB.LEAGUE ONE(B.ONE)西地区だ。
バスケットボールキングの報道によれば、B.ONEは北・東・中・西・南の5地区制で、西地区の顔ぶれは次のとおり。
- ベルテックス静岡
- ファイティングイーグルス名古屋
- バンビシャス奈良
- トライフープ岡山
- 徳島ガンバロウズ
地区が5クラブ編成ということは、同地区との対戦が順位に与える影響は大きい。開幕節のFE名古屋戦がそのまま地区内の直接対決になるのは、そういう意味でも見どころになる。
そしてクラブが掲げるのは、2030-31シーズンのB.PREMIER参入と2030年の新アリーナ開業だ。今季の順位はその出発点にあたる。
観戦前のチェックポイント
初観戦でも追いやすい見どころを挙げておく。
- ディフェンスの圧力: パトリックHCが軸に据えるのは激しいディフェンス。相手がボールを運ぶ段階で詰めにいくかどうかを見ると、狙いが分かりやすい
- ターンオーバーの数: プレシーズンで課題に挙がった項目。会場のスタッツ表示で確認できる
- ビッグマンのローテーション: 新加入の外国籍3人をどう使い分けるか
- 第3クォーターの入り: 横浜戦で崩れた時間帯。ここを踏ん張れるかがチームの成長を測る物差しになる
- 山本愛哉のゲームコントロール: 新キャプテンとしての振る舞いと、交代時のチームの落ち方
2026年9月26日時点で公式発表を確認できていないこと
- 開幕節のスターティングファイブ、および各選手の出場可否
- 選手個々の負傷・コンディション状況
- 昨季のスタッツから見た今季のチーム目標数値(勝利数など、クラブとしての具体的な数値目標)
順位や勝敗の見通しは、開幕節のローテーションが分かってからでないと判断材料が足りない。まずは9月26日のGAME1で、誰が最初の5人に入り、誰が最初に交代で出てくるかを見るところからだ。
そのうえで、GAME2がある。Bリーグは同一カードの2日連続開催が基本で、GAME1で出た課題にどう手を入れてくるかが翌日そのまま現れる。新体制の適応の速さを測るなら、27日のGAME2のほうが情報量は多いかもしれない。
参照リンク
- ベルテックス静岡公式「2026-27シーズン ロスター決定・チーム編成について」(2026年7月25日)
- ベルテックス静岡公式「りそなグループ B.LEAGUE 2026-27 B.ONE リーグ戦 日程/対戦カード/会場発表」(2026年2月17日)
- ベルテックス静岡公式「9/26(土)9/27(日) B.LEAGUE 2026-27 試合情報」
- ベルテックス静岡公式「【試合後コメント】9月12日(土) vs 越谷アルファーズ」(2026年9月12日)
- ベルテックス静岡公式「2026-27シーズンビジュアル発表」(2026年9月7日)
- ベルテックス静岡公式「2026-27シーズン 前半戦ポスター配布のお知らせ」(2026年9月19日)
- ベルテックス静岡公式 GAME ニュース一覧
- 横浜ビー・コルセアーズ公式「【GAME REPORT】PRE SEASON GAME 2026 ベルテックス静岡 vs 横浜ビー・コルセアーズ」(2026年9月4日)
- B.LEAGUE公式「2030年の新アリーナ誕生を見据え強化を進めるベルテックス静岡、元千葉Jのジョン・パトリックとヘッドコーチ契約を締結」(2026年5月4日)
- B.LEAGUE公式「ベルテックス静岡が森高大ヘッドコーチとの契約を満了」(2026年4月28日)
- B.LEAGUE公式 ベルテックス静岡 クラブページ
- B.LEAGUE公式「B.革新 参入決定クラブ」
- B.LEAGUE公式 ベルテックス静岡 選手一覧
- バスケットボールキング「ベルテックス静岡が新シーズンのロスター確定…ロースターを刷新し、トレダリアス・マカラムら外国籍4選手加入」(2026年7月25日)
- バスケットボールキング「2026−27シーズンB.革新の地区分け決定…B.PREMIERは東西2地区、B.ONEは5地区制に」(2025年10月30日)
