B.LEAGUE ONE の開幕節で、ベルテックス静岡がこのはなアリーナに迎えるのはファイティングイーグルス名古屋。9月26日(土)と27日(日)、どちらも14時05分ティップオフの2連戦です。
いきなり同じ西地区の相手。新制度の西地区は5クラブで、自地区内は総当たり制で対戦します(具体的な対戦数は2026年9月26日時点で公式発表を確認できていません)。つまりこの2試合は、今季何度もぶつかる相手との「初手」にあたります。
この記事で立てる問いは1つです。ジョン・パトリック新ヘッドコーチ体制のベルテックス静岡は、開幕の2連戦で、昨季までB1にいたFE名古屋に対して何を測れるのか。
ここがポイント: B.ONE 西地区は5クラブ。自地区内は総当たり制で対戦し、静岡とFE名古屋は今季複数回対戦します(対戦回数は2026年9月26日時点で公式発表を確認できていません)。開幕2連戦はその長い相性勝負の1枚目と2枚目です。
この記事で分かること
- 開幕節の日程・会場・両クラブのカテゴリなど、公式に確認できた対戦条件
- B.LEAGUE ONE の5地区制という枠組みが、この一戦に与える意味
- 静岡の新体制とFE名古屋の編成、噛み合いそうな3つのポイント
- GAME1からGAME2にかけて、どこが動きうるか
- 執筆時点で確認できていない論点
1. まず、確定している対戦条件
先に固めておきます。この2試合は、りそなグループ B.LEAGUE 2026-27 B.LEAGUE ONE リーグ戦の静岡ホームゲームです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 大会 | りそなグループ B.LEAGUE 2026-27 B.LEAGUE ONE リーグ戦 |
| GAME1 | 2026年9月26日(土)14:05 ティップオフ |
| GAME2 | 2026年9月27日(日)14:05 ティップオフ |
| 会場 | このはなアリーナ(静岡市駿河区栗原19-1) |
| ホーム | ベルテックス静岡 |
| 両クラブの地区 | ともに B.LEAGUE ONE 西地区 |
| 静岡 2025-26 | B2で15勝45敗/平均72.4得点・81.7失点、FG40.9%、3P30.0% |
| FE名古屋 2025-26 | B1で18勝42敗/平均80.0得点・84.5失点、FG43.7%、3P31.5% |
| ヘッドコーチ | 静岡:ジョン・パトリック/FE名古屋:ルーベン・ボイキン |
ヘッドコーチはどちらも今季から
ベルテックス静岡は2026年5月4日、ジョン・パトリック氏とのヘッドコーチ契約を発表しました。1968年生まれ、スタンフォード大学出身。ドイツ・BBLのMHP Riesen Ludwigsburgで9シーズン、2022年から2024年までは千葉ジェッツで指揮を執り、2025-26シーズンは台湾・新北キングスのヘッドコーチを務めています。
クラブのリリースで井上雅史GMは、招へいの理由としてクラブ全体のプログラム構築への情熱、日本人選手育成の知識と経験、そしてスピード感のある攻撃的なバスケットボールを挙げています。松永康太代表取締役社長は、パトリック氏を「勝利に対する明確な基準とチームづくりの強い哲学を兼ね備えた指導者」と評しました。
FE名古屋も指揮官が替わります。バスケットボールキングは2026年5月15日、クラブが5月14日にルーベン・ボイキン氏とのヘッドコーチ契約を発表したと報じています。同記事によると、ボイキン氏はアメリカ出身の40歳で、2019-20シーズンから大阪エヴェッサのアシスタントコーチを務め、2025-26シーズンはFE名古屋のスーパーバイザーコーチとして試合の指揮を担当していました。クラブ公式のスタッフ一覧でも、現在のヘッドコーチとしてルーベン・ボイキン氏が掲載されています。
つまり、お互いに「昨季の映像がそのままは使えない」相手同士の開幕戦です。
2. 「開幕からいきなり西地区」が重い理由
結論から言えば、この2連戦は単なる開幕戦ではなく、今季もっとも多く当たる相手のひとつとの最初の対戦です。
Bリーグは2025年10月30日発表のクラブライセンス判定結果で、2026-27シーズンの地区分けを確定させました。B.LEAGUE ONE は25クラブ・5地区制です。
- 北地区: 青森ワッツ/岩手ビッグブルズ/山形ワイヴァンズ/福島ファイヤーボンズ/越谷アルファーズ
- 東地区: さいたまブロンコス/東京ユナイテッドバスケットボールクラブ/アースフレンズ東京Z/立川ダイス/東京八王子ビートレインズ
- 中地区: 横浜エクセレンス/新潟アルビレックスBB/金沢武士団/福井ブローウィンズ/岐阜スゥープス
- 西地区: ベルテックス静岡/ファイティングイーグルス名古屋/バンビシャス奈良/トライフープ岡山/徳島ガンバロウズ
- 南地区: 香川ファイブアローズ/愛媛オレンジバイキングス/ライジングゼファー福岡/熊本ヴォルターズ/鹿児島レブナイズ
横浜エクセレンスがクラブ公式で案内している2026-27 B.LEAGUE ONE の大会方式によれば、ポストシーズンには各地区(5地区)上位2クラブに加え、残りから6クラブが進み、計16クラブが出場します。なお、1クラブあたりの総試合数や自地区・他地区の内訳(自地区32試合・8回戦総当たり、他地区28試合など)は、2026年9月26日時点で公式発表を確認できていません。
数字が示す現実的な意味
自地区内が総当たり制であれば、静岡にとってFE名古屋戦は年間で複数回組まれることになります(具体的な試合数は確認できていません)。地区上位2枠を争う直接対決でもあるので、開幕の2つは順位表以上に「相性の設計図」を書く2つになります。
初めてこのカードを見る方のために補足すると、FE名古屋は2025-26シーズンをB1で戦ったクラブです。18勝42敗という数字は苦しいものでしたが、リーグ最上位カテゴリで1シーズンを走り切った経験値は、開幕時点の完成度という面で無視できません。
3. 噛み合いどころ①|静岡の「守って走る」設計 × FE名古屋の作り直した前線
静岡がこの2連戦で最初に示したいのは、ディフェンスからテンポを作れるかどうかだと考えられます。
根拠は2つあります。1つは、井上GMが新HC招へいの条件として「スピード感あふれる攻撃的なバスケットボール」を挙げていること。もう1つは、昨季の数字です。静岡はB2で平均72.4得点・81.7失点、FG40.9%、3P30.0%。ハーフコートで点を積み上げる形は苦しく、得点源をディフェンスとトランジションに求める設計は自然な帰結です。
対するFE名古屋は、昨季B1で平均80.0得点・84.5失点、FG43.7%、3P31.5%。得点力は高いものの、こちらも失点が上回っていました。
編成の話題
静岡は2026-27シーズンに向けてロスターを大きく入れ替えました。クラブ公式の選手一覧には、トレダリアス・マカラム(#2)、ジェイデン・ガードナー(#5)、ソロモン・ヤング(#21)といった新加入の名前が並びます。インサイドとウイングの両方を新しい顔で組み直した格好です。
FE名古屋も同様に前線を作り直しています。クラブ公式の選手一覧には、トレス・ティンクル(#3)、マックス・フィードラー(#33)、フランシス・ロペス(#20)、ネルソン・フィリップス(#1)、マイロ・マーフィー(#15)が掲載されています。バスケットボールキングは2026年9月21日の見どころ記事で、FE名古屋について外国籍選手が総入れ替えとなり、残留した選手にも若手が多いと伝えています。
両チームとも、新しい組み合わせでの公式戦は開幕節が最初です。ここが、ハイテンポを狙う側にとっては追い風になる可能性があります。作り直したばかりのチーム同士は、ハーフコートでの約束事より、走った先の判断に個人の質が出やすいからです。
4. 噛み合いどころ②|ガード陣の質と、経験差の扱い
静岡のバックコートは、今季もチームの背骨になると考えられます。
クラブ公式の選手一覧によれば、静岡には橋本竜馬(#0/PG)、山本愛哉(#3/PG)、柏倉哲平(#14/PG)とガードが揃います。橋本は元日本代表で、クラブの顔として契約を継続しました。テンポを上げる設計を選ぶなら、ボールを運んで判断する場所に経験が要るのは道理です。
FE名古屋側のバックコートには、笹山貴哉(#21/PG)、宇都宮陸(#9/PG)、平松克樹(#12/PG)、杉本天昇(#10/SG)、鍵冨太雅(#24/SG)が名を連ねます。バスケットボールキングは同じ見どころ記事で、笹山を司令塔として紹介しています。
静岡側から見た論点
- 静岡が速い展開を狙うなら、FE名古屋の経験あるガードにペースを握り返されないことが前提になります
- 逆にFE名古屋がハーフコートに落として組み立てるなら、静岡は昨季苦しんだ「守り切ったあとの1本」をどこから取るかが問われます
- 増田啓介(#11)や林翔太郎(#33)といったウイングが、走った先で3Pを決められるかどうかは、昨季3P30.0%という数字を塗り替える最初の材料になります
ここは断定できる領域ではありません。ただ、測る物差しとしては明快です。オフェンスリバウンドを与えず、ターンオーバーからの失点を抑え、シュートまでの秒数を短くできているか。この3点は、会場でもスタッツでも追えます。
5. 噛み合いどころ③|GAME1からGAME2へ、何が動くか
2日連続開催の妙味は、翌日に修正が効くことです。
Bリーグは同じカードを土日で連戦する形が基本です。GAME1で出た課題に対し、GAME2で相手が手を打ってくる。その打ち返し合いが、1回勝負のトーナメントとは違う面白さになります。
想定される修正の方向(本記事の見立て)
- ペースの取り合い: GAME1で一方がテンポを支配した場合、翌日はファウルゲームではなく、早いオフェンスの入り方そのものを止めにくる可能性があります
- ビッグマンのマッチアップ: 新しい外国籍選手同士の組み合わせは初対戦です。GAME1の手応え次第で、GAME2は起用時間やスイッチの基準が変わりうると考えられます
- ローテーションの幅: 開幕2連戦は、選手の仕上がりを見ながら出場時間を配分する場面でもあります。GAME1で長く使った選手をGAME2でどう扱うかは、両ヘッドコーチの初めての判断材料になります
なお、両クラブとも新体制で臨む開幕節のため、GAME1の内容そのものが「相手の分析材料が存在しない状態」で作られる点は押さえておきたいところです。言い換えれば、GAME2の方が互いのスカウティングが効いた試合になります。
6. 過去の対戦と、クラブを取り巻く状況
Bリーグ公式の対戦成績ページでは、2026年9月26日時点で静岡とFE名古屋の対戦記録が表示されません。
両クラブがこれまで同じカテゴリで同時に戦った期間がなかったことが背景にありますが、リーグ戦での対戦実績について、公式データベース上で確認できる記録は見当たりませんでした。開幕節は、両クラブにとってほぼ白紙からのカードということになります。
静岡のクラブ事情
静岡第一テレビは、松永康太社長が2030年の新アリーナ完成に合わせてトップリーグ昇格を目指す方針を説明し、2026-27シーズンはホーム30試合で計10万人の入場を目標に掲げていると報じています。同記事によれば、昇格要件として2シーズン連続で平均入場者数3000人以上が必要で、平均3000人をクリアしていくことが課題になります。
このはなアリーナの座席規模を踏まえると、開幕節はその目標に対する最初の実測値でもあります。クラブは開幕ホーム4連戦として、来場者へのポストカード配布や光るオレンジブレスレットの先着配布、オープニングショーなどを案内しています。
プレシーズンで見えたこと
横浜ビー・コルセアーズ公式のゲームレポートによると、2026年9月4日のプレシーズンゲームは横浜が84-72で静岡に勝利しました。同レポートは、静岡のアウトサイドシュートに苦しみ前半を12点ビハインドで折り返したこと、第4クォーターに25-13と走って逆転したことを伝えています。
プレシーズンの結果はリーグ戦の記録ではありません。ただ、B.PREMIERのクラブ相手に前半リードを作った事実は、開幕節を占う材料として読者が知っておいてよい情報です。同時に、リードを保てなかった終盤が、そのまま開幕節の課題として持ち越されている可能性もあります。
7. 見立てと、確認できていない論点
ここからは本記事の見立てです。
開幕2連戦の分岐点は、静岡がディフェンスから速攻を出せた回数と、FE名古屋がそれをハーフコートに戻せた回数の比較になると考えられます。 根拠は、静岡の昨季の得点効率(FG40.9%/3P30.0%)がハーフコート主体では苦しかったこと、FE名古屋が昨季B1で平均84.5失点と守備に課題を抱えていたことです。同じ数字は別の読み方もできます。FE名古屋の平均80.0得点は静岡の72.4得点を上回っており、撃ち合いになればカテゴリ上位で戦った側に分がある、という見方も成り立ちます。
一方で、1シーズンの平均値は昨季の顔ぶれで作られたものです。両クラブとも編成が大きく変わっているため、昨季のスタッツをそのまま今季の力関係に読み替えることはできません。
2026年9月26日時点で確認できていないこと
- 両クラブのGAME1・GAME2のスターティングファイブは、公式発表を確認できていません
- 両クラブの負傷離脱・欠場に関する公式発表は確認できていません
- FE名古屋の2026-27シーズンにおけるキャプテンなど、チーム内の役割に関する公式発表は確認できていません
これらは試合当日のクラブ公式発表と公式ボックススコアで確定します。
冒頭の問いへの答え
静岡がこの2連戦で測れるのは、勝敗そのものよりも「パトリック体制が目指す速さを、B1を経験したクラブ相手に成立させられるか」です。 相手はカテゴリ上位で1シーズンを戦い抜いた経験を持ち、こちらは新HC・新ロスターで最初の公式戦。噛み合えば静岡のテンポが試合を動かし、噛み合わなければFE名古屋の得点力が先に出る。どちらに転んでも、今季何度もある同地区対決の判断材料が2試合分手に入ります。
今後の注目点
- GAME1のターンオーバー数とそこからの失点: 静岡が速さを狙うほど、ここが上振れも下振れもする
- GAME1→GAME2の出場時間配分: 新加入選手をどこまで使うかで、シーズン序盤の設計が見える
- リバウンド(特にオフェンスリバウンド): 作り直した両チームのビッグマン同士、最初の力比べになる
- 3P成功率: 静岡が昨季の30.0%からどこまで動かせるか
- 来場者数: ホーム30試合10万人という目標に対し、開幕節がどの位置から始まるか
開幕節が終われば、公式ボックススコアで両GAMEのクォーター別得点と個人スタッツが確認できます。まずは2試合の中身を見てから、西地区の力関係を語り直したいところです。
参照リンク
- ベルテックス静岡公式|9/26(土)9/27(日)ベルテックス静岡 B.LEAGUE 2026-27 B.LEAGUE ONE
- ベルテックス静岡公式|ジョン・パトリック氏 ヘッドコーチ契約のお知らせ(2026年5月4日)
- ベルテックス静岡公式|選手一覧(2026-27シーズン)
- B.LEAGUE公式|ベルテックス静岡 クラブ情報
- B.LEAGUE公式|ファイティングイーグルス名古屋 クラブ情報
- B.LEAGUE公式|2025年10月 B.LEAGUEクラブライセンス判定結果(2025年10月30日発表・全55クラブの2026-27シーズン地区分け)
- B.LEAGUE公式|対戦成績(ベルテックス静岡×ファイティングイーグルス名古屋)
- B.LEAGUE公式|『シン・バスケ』2026.9.22 開幕 試合日程
- ファイティングイーグルス名古屋公式|チームスタッフ一覧
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